(さくら)


古都の景色はそろそろ春めいて、少しは温んだ風が花の香りを含むようになってきた。石畳の坂を踏み歩きながら、今年もこの道には花弁のじゅうたんがいっぱいに敷かれるのだろうなと思う。スズの塔周りの、あの小径の木だけは主の威厳を示すようにずっと紅葉しているが、それ以外の木はしごく真っ当な循環をしていた。ジムからも近いこの辺りは特に桜の木が多く、一斉に咲いては散って青々と葉を茂らせる。物見遊山の人にはなんとも評判が高いエンジュの桜だが、この街に生まれ育った自分には見慣れてしまってさしたる感慨もない。しいて言えば落ちて踏み荒らされた花の掃除が面倒なくらいで、それも修行かゴーストたちとの戯れだと思えばいつもと同じことだった。塔の前の赤や黄の並木にしたって、限られた人だけの光景だとかいつでも見に行けることを羨む人たちの気持ちはよくわからない。どうせ秋になれば街にも森にも落葉はあふれるのだし、そもそも自分はけして赤く染まる木々を見に通っているわけではないのだ。今日だってそうなのだった。幾度も塔に向かえど神はいつまでも現れてくれず、修行と職務とを重ねて日々ばかりが徒に過ぎている。唇を噛むにも白けて溜め息をつこうとしたけれど、そよ風に押し戻されてはしゃいでいる同行者を振り向いて苦笑いに変わった。


 「こら、浮かれてると吹き飛ばされるよ」
手ともつかない煙の手を引いてやると、裂け目のような口角が嬉しそうに上がる。ひんやりと暗い紫色をした彼らの仲間は、親密になってしまえば気のいい存在だ。学者先生たちは物騒なことをいろいろ言うけれど、僕はありがたいことにつれていかれかけたこともない。ほほえみ返して歩幅を戻すと、光だけは強い陽射しが雲間から射抜くように差してくる。眩しさについ額を包む布地を瞼のきわに引き下ろしたので、こちらへすたすた歩いてくる影を認めるまでに少し間があった。僕はそれからもう寸の間眩んだ目を見開いていた。狭まった視界をまばたきが散らす。

 「…ミナキくん?」
その姿を見てすぐに呼び声が大きく飛び出た。無我のことだ。あちらも気付いたのか、だいぶ前方からぶんぶん手を振りながら駆け寄ってくる。きみはいくつだ、とせせら笑うには余裕が足りない。僕の連れと同じものを一匹連れていた。ずっと前に彼に譲ったものだ。ちかちかと光を反射する白いマントに瞬きを繰り返す。街と不釣り合いに派手な風体を見間違えるはずもなく、仮に彼が異なる格好でいてもわからないはずはない。ただ意外ではあった、まだしばらく来る時期ではないと思ったのに。
 「しばらくだな、元気そうで何より」
親友は僕より少し高い目線で快活に笑う。僕は曖昧に口を開いたまま結局久しぶりと応えて目を細めた。胸がいっぱいになるほど心を浸している関係なんかではないのに。とんちきなまでに仕立てのいい紫の燕尾服の背からゴーストがひょいと顔を出す。にやりとした三白眼はなじみのもので、けれども手持ちのいたずら小僧たちよりしっかりした顔つきだった。旅をしていると大人びるものなのだろうか?それとも主人がなかなか出来る人間のようでどこか危なっかしいから保護者みたいになるのだろうか。そんなことを考えていたら南風がびゅうと駆け抜けて、ミナキくんの一房だけ垂らした前髪が温む風に揺れた。

 「早いなあ、桜はまだだよ」
この街は冷ややかで春が少し遅い。喉の奥で笑いながら僕が言うと、彼は口を軽く尖らせて肩をすくめた。早まった風物詩のように言うな、なんて呟いては気取った風な仕草をあっさりとしてしまって、それが似合うのも相変わらずのようだ。けれど我が身を思い返すと僕もなんだか影響されていそうな気がして困る。いや、夕食時にいきなり現れてべらべら口上を述べたり、翌朝に恰好つけて出ていこうとして段差を踏み外して転んだような覚えはないけど。長いつきあいだからちょっとはそういう大げささとか間抜けさがうつってしまっていそうで。
 「毎年楽しみにしてるのは知ってるから、来る頃だとは思っていた」
 「まあな。ゴーストやスリープやマルマインもはしゃいでくれるし、何より美しい」
エンジュは四季折々きれいだから、いつ来ても楽しいのだがな。ミナキくんはそう言って傍らに浮かぶ撫でられない頭を撫でた。ゴーストは目を細めて嬉しそうに笑う。それを見て僕の頬も自然と緩む。しかし彼が前回訪れたのはいつだったか、初雪どころかそれこそ落ち葉の掃除を始めた頃の気がする。たびたび来る年もあればぷっつり来ないときもあるし、四季をせっかちに味わっては足早に消えてしまうような印象だった。足をあまり長く止めていてはいけないというように。気紛れに現れてはすぐに去っていく姿はそれこそ何かに似ていた。


 「しかし、確かにエンジュの桜は好きだが、ここに来るのはそればかりではなくてな」
え、と思って顔を上げるとミナキくんはまだ淡い青空を背負って晴れやかに笑いながら立っていた。じわじわとしつこく燻っている胸の奥に再三の煙が立つ。燃え残りと言うには炎をあげたことすらもない。そうしてまだ咲かない花が辺りに散っているような錯覚がして、当然それは春間近の陽光がまぶたに映した残像だったのだけれども。彼は口端を自信ありげに上げてみせて、おもむろに懐から筒状に丸めた紙を取り出して広げた。

 「近年聞き込んできた足取りを追うに、このところスイクンは春の湖がお気に召しているようだ。もちろん桜に誘われて寄り道もありうるし、ここからチョウジも近い!今度こそあのうるわしの毛並みを捉えてみせる。久々のチャンスだ、しばらく世話になるぜ!」

スイクンの足跡を細かくチェックしたマップを指し示してミナキくんは高らかに言った。思わせぶりなことを言って人を気落ちさせるのも全く変わりないようだ。ちょっとは人としてのそういう何か大切な仕組みの方を磨けばいいのに。それともあれか、ほうぼうを走り回るのにじゃまだからってほいほい捨てては軽くしていっているのか。それは手持ちたちもしっかり者になるだろう。何なら捨てるそばから拾っていってあげてほしい。それは無理か、追うのでてんてこまいだろうから。はああ、と大きくため息をこぼした僕の背中を触れない手が労るように撫でる。たぶんその顔は楽しげに笑っている。どうしたマツバ、と脳天気な声がしたので今晩のお菜はきみの嫌いなししとうをちりばめてあげようと呪詛を唱える。しかし救えないことに、僕はこの予定調和なとんちんかんにいっそ安堵までしているのだった。



◇◇◇

 

(夜風)


僕は無心でいないと何も見えないんだ、とマツバがつぶやいた。月光に浮かび上がる鈍い金色の髪が、まだ少し肌寒い夜風に揺れる。半ば目印のような紫のヘアバンドは先導するように漂うゴースたちが取っていってしまって、今は引っ張り合って楽しげに遊んでいる。それ以外にヤミラミやムウマージも出されているが、皆しててんで遊びながら進んでいた。彼らは私の元にいるゴーストよりも悪戯好きな気質のようだ。マツバ行きつけの旨い茶屋から帰る途中、町中より輪をかけて静かな町外れの細い道を二人と何匹かで黙々と歩いていた。

 「…それは、悩みごとか」
私は何と言っていいものか判断しかねてそうたずねた。なんだどうしたなどと軽々しく押し入ってはいけない領分だからだ。マツバの持つ不可思議な能力やひたむきな求道心は私や皆を感嘆させるけれども、それを持つがゆえに生じる苦悩や努力を他者が推し量るのは難しい。マツバはふわふわと飛んでいるゴースたちに視線をすべらせた。春の夜道は舗装こそされていないが整地してあって歩きやすく、暗くて見えづらいものの道端には野の花がぽつりぽつり咲いているようだった。
 「ごめん、藪から棒に」
 「いや、それは構わないが…」
マツバは苦笑いして俯いた。私は先ほどの言い方がつっけんどんに聞こえたかと思って少し悔やんだ。親友の前に私と異なる世界が広がっていることはいつも興味深く心躍ったが、自分が彼の力になれない分野が多いのはひどく口惜しい。たいていの知識も学術論文の書き方も経営理論も、タマムシの街で学んだことはほとんどエンジュの穏やかな熱を秘める青年には無力だ。卑下や負け惜しみではないが、彼と私はまるで違っていた。私の手は君をすりぬけるんじゃないか、そう以前に酔って言ったときも彼はさびしそうに笑った。私は後悔した。何も変わっちゃいない。

 「僕は君といると何も見えなくなるんだ」

今度こそ不意打ちにマツバが告げた。どういう意味だ、と反問する前に暗紫色の背中は闇にまぎれる。それを見失わないように金糸を一心に追った。どういうわけかマツバまで足を速めた。漂っていたゴースたちも追い抜いてしまって、目ざとい彼らは囃すように私たちの周りを飛び交わす。あとはまるで駆けっこのようになって彼の家の前でようやくその肩を掴んだときには、恰好つけさせてくれないんだからと夜目にも真っ赤な耳で恨み言を言われる羽目になった。そんなことを言われても、私の頭は降って沸いた熱に鈍ってしまってまだきちんと咀嚼さえできていないんだがな。

 

◇◇◇

 

(鼓動)


彼の心音はいつも一定の間隔で体に響くとすごく癒される。だから僕はいくら不思議そうにされてもミナキくんの平たい胸に耳を押し当てることを欠かさなかった。半ば彼が訪れた夜の日課のようになっている。ミナキくんもなぜかなすがままで僕の好きにさせていた。どう思われているのかはよくわからない。けれど彼は許容の線引きが人より甘いらしい。あるいは相手が僕だからそうなのだ、と断じてしまえるほど面の皮は厚くない。


 「マツバ?」
そうして今日も風呂上がりで畳に座って濡れ髪を拭こうとしていたミナキくんに正面から抱きついてかたい胸に額を預ける。疑問の声が胸骨越しに反響したまま直に伝わってくるけど、やっぱり彼はおとなしく座ったままだ。つけたばかりのテレビがだらだらと笑い声を流し、扇風機はかくかくと首を振っては風をあちらに送りこちらに送りしている。さっき貸した少しだけ丈の足りない作務衣を着たミナキくんからは、爽やかな香水の色が消えて石鹸の淡い香りがする。襟の合わせ目が顔に当たってうっとうしいのでえいやと無遠慮に開いてしまったけれども、ミナキくんはそれでも何も言わない。いつものことだとみなされているようだ。少し見上げると、ゆんわり下ろされたはしばみ色の洗い髪と頭にかぶせたタオルが肩口にたぐまっている。湯上がりの温もりに包まれるのが心地良くて僕のまぶたはじわじわ溶けそうに眠たくなっていって、けれどこのまま寝入ったら彼は一苦労だなと考える。
 「ほら」
ミナキくんは一旦ふぬけた僕の体を押し戻すと、すとんと膝を立てて座り直してからまた引き寄せた。あぐらをかいた彼にもたれかかると畳に膝をついて縋るようで不安定になるので、それでは苦しいだろうと察してくれたらしい。開いた長い足の間に膝をだらしなく崩した座り方で落ち着く。この体勢では二人の隙間が小さくなってしまうけど居心地はすごくいい。かたくて骨ばった体がうまく合わさることはないはずだ。擦り寄るようにあらわな肌へ耳を押しつけると鼓動をいっそうはっきりと感じる。見た目ほど薄くなくて思ったとおり真っ直ぐな体だ。目を瞑ると静かに呼吸をくりかえす気配がして、もう片耳から入るテレビの雑音もあまり気にならなかった。


 「ミナキくんは、そういうのちっとも似合わないよね」
 「だったら貸すな」
藍色に緑を垂らしたような色の僕の寝間着は彼が着るとすごく浮いて見えた。しかも背が高いから裾も持ち上がって、そりゃあ肌が見えはしないけどどうもこれから眠ろうというゆったりさに欠ける。そう指摘すると仕方がないという反論がぼやりぼやり響いて届いて僕は笑いをくぐもらせる。両腕をしっかり背中に回すと実体感がしすぎて骨の所在までいちいちわかって、息をするたびふくふくへこんでおもしろかった。額に鎖骨がこつこつ当たり、あたたかい血の通った皮膚どうしがなめらかにふれあう。いつも傍らにいる冷たくてやさしい障気たちの、心が通い体が慣れきったとしてなお凍えるような毒気とはまるで違う。もちろん僕は彼らを愛していて、彼らも僕を主人と認めてくれて、信頼して手を取り合って共に歩んでいる。それでもときどきこうして無性に生きたものの温もりが恋しくなるのは、僕が彼らと違う肉体を持って生きているから。僕が彼らと離れてぶざまに彼に縋りたくなるのは、僕がふつうの人間より彼らに近い能力を持っているから。不釣り合いなんだ、結局どうしたって。だけれど誰とも触れないで生きていくのは、すごくすごくこたえることだ。


これだけ密着していても彼の心音は一定で僕はそれがすこしくるしい。だからといってこの安穏な時間を崩す気持ちもしなくって、涙にも似てこみあげる眠気にあっというまに流されていた。ぼくには心臓がある。きみにも心臓がある。いとおしいさびしい。僕の心にずっと座っているきみへのこの気持ちはいったい何と言えばいいだろう。どこかの真夜中の少女とひとつとりかえっこをしよう。そうすればもっと言い表せる形になる、どうにか、言葉で。眠りの崖に沈み込む直前に彼の肺の辺りがふるえて、ふうと大きく息をついたのを、消えかけの疑問符をひとつ点しながら感じた。


 

◇◇◇

 

(宴)


ミナキくんは冷静かつ社交的な理屈屋で穏和であるけど少し針が振り切れている。頭が良すぎる人は常人の思考を数段飛び越えてしまうというが、彼の場合それだけでもなさそうだ。あのうつくしい水色の獣を追うことに日々を捧げているから、その足の速さに合わせるように突飛になってしまったんだと思う。

彼は昔、生まれ育った街の名高い学校で古くからの歴史や社会のあり方などについて研究していた。入学したのは学生たちの平均からするとずいぶん年若い、というかまだいくらか子供のような頃で、めずらしいことらしいのに彼はあたりまえみたいに言ってのけた。そうしてそのきっかけは本当に幼い頃スイクンの話を見聞きしたからだと言うから筋金入りである。少しでも早くから学んであの伝説に結び付く術を探りたかったのかとそれを聞いた僕は考えた。しかし実際は単に学問を探求するためだけにというわけでもなかったらしい。彼はタマムシの街でも名のある会社の跡取り息子というなかなかの責任を負った立場にある。それゆえ、早々に何やらの学位を取得し研究職という名目を得て、これで当面は時間を稼げるとばかりに悠々と各地を駆け回りはじめたのだ。そのままざっと十年になる。

要はそういう計算で、彼の人生設計はごく幼いころからあの伝説のために築かれていた。どういう頭だ、と言いたいがまだ幼かった頃の面影を思い起こすに確かにそうだった。とはいえ本当に研究も好きらしく時折分厚い論文を発表もしているため、家の事業という本命の責務からはもうしばらく免れていられるのだそうだ。遊び暮らしてろくに実務経験もない私がのうのうと椅子に座るより、長く父を支えてきた人たちの誰かに譲る方がよっぽど賢いだろうに。ミナキくんは酒を飲むと苦笑してそんなことを言った。過ぎた飲酒の害をうたって大体いつも少ししか飲まないのに、その少しで常より饒舌になる。

というかしらふで自分のことを話すことが意外に思えるほど少ないのだ。密やかに注意深く、隠さないふりで隠している。大抵はくだらない話をしながら笑っていて、ときどき僕の心配や手持ちポケモンたちの自慢をする。実にしばしばスイクンの美しさを称えながら出没場所の法則や射止め方などについての持論を語る。よくよく考えるとそれだけなのだ。自分の心の内をまるっきり見せないわけじゃないけど、あけっぴろげに吐き出すことはしない。失敗談はする、悩みごとは言わない。泣き言は冗談めかしてはきはきと笑う。紳士的な人間のたしなみらしい。

だけれど僕にはその規律正しさがほんの一滴だけさみしかった。悲しかった、つまらなかった?ふがいないのかもしれない。そりゃあ切れ間はいくつもあるし長いのもあったけれど、十数年のつきあいをしていて尚もそんなものなのかって。僕には彼ほど近しい人は他にいないというのに。ただくされ縁だからというだけではなくて、いっそ十数年前に出会った夜からずっとたえまなく思っているのに。なんて、まあ、思ったそばから照れくさくて言う気もしないし大げさなようにも感じたし、記憶には改ざん機能がついているなんて話がふと頭をよぎってしまうわけだけど。未来を覗ける千里眼も過去をそのまま見てくることはできない。思い出はいつでも紗がかかったようにあいまいだ。

ともかくそれは置いておいて、そういうわけで僕は今晩ちょっとした企みを試みた。口を開くように腹を割るように念じて、お酒をさりげなく飲ませた。何せスイクンの詳しい話をするよう水を向けてしばらく熱を上げさせたら、たちまちコップにも僕にも注意がいかなくなるつくりなんだ。からくり人形みたいに注いだら注いだだけ飲む。心配になるくらいだ。今までは彼の分解酵素が心配で自粛していたけど、先日どんな悪酔いにもとてもよく効く煎じ薬が手に入ったからこっちのものだ。ひんしのポケモンが元気に起き上がるくらいすごいやつ。念のため自分で少し試したら果てしなく苦かったけどまあいいだろう。賢い子は苦いものが好きって言うし、ポケモンの話だけど。

僕は機嫌のいいミナキくんのおしゃべりをにこやかに聞いて、これでこそ酒を飲みかわしているという感じがしつつ自分も杯を空けた。彼はすっかり酒が回って白い顔が薄赤くなっていたけど、そこまで弱いわけではないらしくて安心する。ちょっと上等の酒はそんなにきつくなくてすっきりといい香りがした。僕が本来の狙いを忘れてくいくい飲んでいたら、彼はふと押し黙った。あれどうしたのかと思っていたら、つまみに用意した小鉢を箸でつつきながら、ぽつりとこう言った。

 「マツバはぁ、わたしに何もはなさないな」
 「…えっ?」
 「悩みとか、ぐちとか。しっかりもののお前らしいが、…すこしさみしいぜ」

いつもみたいに素早くは回らない舌で、不満げに口を少しとがらせてミナキくんはごちる。拗ねた口ぶりに十数年前の彼を思い出して、ごく最近の自分さえだぶらせてしまった。僕は俯いて口許を右手で覆った。ミナキくんが顔を上げて首をかしげる。くすぐったいようなあたたかいようなおかしいような感じがする。とても些細なことな気もした。何やってんだろ、いい大人が二人揃ってさ。けれどもこんな他愛なさが悪くないのだ。きわまった波がくるくると胸をうずまき、耳がひたすらに熱かった。




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